野菜果物ジュースを常飲することは危険です?!

多くの人々が、栄養素の不足を補うために野菜や果物のジュースを毎日飲んでいます。しかしその飲み物が本当に健康に良いのか疑問があります。生活習慣病の患者を指導する医師たちは、野菜果物ジュースを常飲することの危険性を指摘しており、病を発症する人だけでなく、健康な人にも勧められないそうです。そのため、もし体にいいから、健康を維持したいからという理由で野菜や果物ジュースを日常的に飲んでいるのであれば、その危険性を知り、頻繁に飲む必要があるのか見直す必要があります。

 

◎もちろん野菜や果物そのものは健康に良い

野菜や果物そのものには健康に良い効果があり、野菜の中でもアブラナ科の野菜を習慣的に食べることや、果物に含まれる食物繊維が腸内環境を整えたり、糖尿病の予防や血管の老化を抑える効果があることが昭和大学医学部の山岸昌一教授によって説明されました。大規模研究でも、一日に食べる野菜と果物が一品増えるごとに死亡のリスクが6%ずつ下がることが報告されており、果物にはビタミンCが多く含まれ、美肌にも貢献することが知られています。

 

◎ジュースにすることで「食物繊維」が失われる

野菜や果物に含まれる食物繊維には多彩な健康効果がありますが、ジュースにすると80%が失われ、血糖値の急激な上昇につながることがあります。果物ジュースを飲むことで糖尿病のリスクが8%上昇することが報告されています。また、ジュース類は消化や吸収機能を無視して作られた飲み物であるため、糖分の吸収効率も問題があるとされています。

 

◎「必要な時にインスリンが出せない=糖尿病」になる

糖尿病は、必要な時にインスリンが出せなくなる状態です。液体には消化が必要ないため、ジュースを飲むと血糖値が急上昇し、血管の内皮が傷つき、やがて血管が硬くなってしまうそうです。野菜や果物ジュースより清涼飲料水の方がたくさんの糖質を含んでおり、悪性度が高いです。炭水化物を多く含むものは消化に数時間かかりますが、液体であると、たとえそれより少ない糖質摂取量であっても、血糖値を急上昇させます。糖尿病にならないためには、糖質が多く含まれる飲料を避け、野菜や果物を食べるようにすることが大切です。

 

◎飲み物で糖分を取ると太りやすくなる

飲み物で糖分を摂ると太りやすくなることが知られています。多くの野菜果物ジュースには糖質が含まれており、急激な血糖値上昇を繰り返すと、脳梗塞心筋梗塞のリスクが高まることもあります。また、飲み物で糖分を摂ると、食欲を抑制するホルモンが分泌されにくくなり、満足感が得られなくなるという報告があります。果物を食べる人は体重が減少する一方で、フルーツジュースを飲む人は体重が増加する傾向があります。肉を食べても太るのは糖分であり、糖質を取りすぎると、血中のあまった糖が脂肪細胞に取り込まれて太ります。また、血糖値が急上昇すると、空腹感や食欲が強く起き、どか食いをしてしまう悪循環につながるそうです。

 

◎「果糖」は「ブドウ糖」よりもAGEを形成しやすい

果物に含まれる「果糖」は、「ブドウ糖」よりも老化を促進する悪玉物質「AGE」を形成しやすいことがデメリットとしてあります。AGEは、糖化現象によってタンパク質と糖がくっついて劣化することで発生します。揚げ物のような調理過程でも、また血糖値が急上昇して糖化が進むことでもAGEが発生し、蓄積されます。食事で多量に摂取することで、コラーゲンがAGE化することで老化が進み、シミやシワ、動脈硬化や骨がもろくなる、変形性関節症などの機能障害が起こるそうです。

 

◎「野菜だけのジュース」でも取りすぎは禁物

フルーツジュースの過剰摂取は老化物質AGEを生み出し、血糖値急上昇によって血管を傷めるため体を老化させます。野菜ジュースのみの研究報告はありませんが、果物でも野菜でもジュースとして取る場合は適量にとどめることが重要です。市販の野菜ジュースにも糖分が含まれるため、糖質量を確認し、取りすぎに注意することが必要です。

 

◎野菜ジュースは「野菜を食べる代用」にはならない

野菜ジュースは野菜を食べる代わりにはならず、栄養素は減っているため、本来のビタミンや食物繊維を摂取することは難しいです。野菜不足を補うために飲むことはできますが、野菜を食べる代用にはならないそうです。また、液状による糖分摂取は病気のリスクを高めることがあるため注意が必要です。野菜や果物が嫌いな場合でも、少量でも食べることが望ましいそうです。ゆっくり噛んで食べることで体に吸収されるスピードが遅くなり、血糖値の急上昇を防ぐことができ、健康や美容に良い効果が期待できるそうです。