イギリスで月間28万円のベーシックインカムを2年間試験導入

イギリスで「ベーシックインカム」の実証テストが行われることが決定しました。このテストでは、月額1600ポンド(約27万8500円)が2年間にわたって30人のボランティアに支給されます。一方、ベーシックインカムの支給を受けない対照群も設けられます。

ベーシックインカム」は政府が無条件で国民にお金を支給する制度であり、「貧困の撲滅」との支持の声と、「お金がかかるので対象を絞るべき」との批判が存在します。

実際、ベーシックインカムが導入された場合、人々の生活にはどのような変化がもたらされるのでしょうか。このテストでは、イングランド北東部のジャロー地区とロンドン北部のイースト・フィンチリー地区の2つの地域で行われます。参加者はボランティアの中からランダムに選ばれ、30人が対象となります。また、対照群として、ベーシックインカムを受け取らないグループも存在します。

このテストを支持するシンクタンクであるAutonomyの研究責任者であるウィル・ストロング氏は、「人々が無条件の一時金を受け取った場合、労働するかどうかに関わらず、身体的および精神的な健康にどのような影響があるのかを確認したいと考えています。また、ベーシックインカムが保証されれば、国の福祉制度にも大きな変化がもたらされる可能性があります。先行研究からも分かるように、ベーシックインカムは貧困を直接的に緩和し、何百万人もの人々の幸福を向上させることが示されています。その潜在的な利益は無視できません」と語っています。

また、グレーター・マンチェスターの首長であるアンディ・バーナム氏は、2022年の講演の中で「ベーシックインカムによって、すべての人々は堅固な基盤を築き、安全な生活を送り、何も心配する必要がなくなるでしょう」と述べました。さらに、2022年の研究では、「ベーシックインカムを受け取っても労働意欲は失われない」という結果が示されました。

ベーシックインカムの実験は先進国の幾つかの国で行われていますが、それぞれの結果についてはあまり報道されていません。今回のイギリスの調査でも2年間の時間をかけて行われます。私自身はこのベーシックインカムという制度にとても興味があります。日本の生活保護とは似て非なるものです、無条件で生活費の基本額が支給されます。実際導入されるとなると、財源をどうとるかは議論があると思いますが、結果としてあらゆる社会問題の解決になるかもしれないので、試験的にでもやってみる価値があると思います。ぜひ調査をしたという報道だけでなく、結果の報道もされることを望みます。