将棋対局中にAIアプリ使用で優勝者失格に

学生名人戦の今年の大会で、優勝した学生が対局中に将棋AIのアプリを使用していたため、大会規定違反として失格となったことが明らかになりました。

学生名人戦は、全国の学生の将棋界における頂点を決める大会で、優勝者は「朝日杯将棋オープン戦」というプロの棋士などを対象とした大会への出場資格を得ることができます。今年で79回目を迎える歴史ある大会で、日本将棋連盟の後援も受けています。

全日本学生将棋連盟によると、決勝が東京で行われたこの大会で、試合後に勝利した男子学生について、他の参加者から「対局中に頻繁に離席していたので調査してほしい」との申し出がありました。

これを受けて連盟は、当該の学生に話を聞き、調査を行ったところ、対局中にスマートフォンを持ち、電源が入った状態であることが判明しました。さらに、決勝戦や準決勝戦の対局中に、学生が将棋AIのアプリを使用していた痕跡も見つかりました。大会の規定では、対局中には電子機器の電源を切り、離席時の携帯は認められていません。また、将棋ソフトの使用も厳禁とされています。

その結果、協議の結果、男子学生は失格とされ、準優勝の学生が優勝に繰り上げられました。

全日本学生将棋連盟は、NHKの取材に対し、「参加者を信じたいという思いが前提なので、驚きとともに残念な気持ちです。不正に対しては厳正に対処していきたい」とコメントしています。

今回の事件は、将棋界において信頼と公正さが求められる中での遺憾な出来事です。大会参加者はフェアプレーを尊重し、公平な競技を守るべきです。スマートフォンも将棋AIのアプリも、時と使い方によっては素晴らしい道具ですが、今回はやってはいけない間違った使い方をしてしまったケースですね。AIのアプリというのも今どきですね、瞬時に答えが出るわけですから。これからも、こういったAIを良からぬことに使う人が出てくるでしょう。道具を使う人間側のモラルが問われますね。