子宮頸がんワクチンが男性にも有効な理由

子宮頸がんワクチンが男性にも効果的であるというお話です。子宮頸がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)について、性交渉によって感染し、子宮頸がんは女性の30〜40代に多く発症するので、子育て世代を直撃する病気だそうです。

 

HPV(人間パピローマウイルス)ワクチンについて、アメリカ・メルク社がHPVに対する免疫を引き起こすことに成功し、日本でも2009年にサーバリックスが、2011年にガーダシルというワクチンが承認され、予防接種法に基づく法定接種の対象となっていますが、副反応騒動が起きたことで接種率は低いままだそうです。

 

イギリスや北欧からは性交渉前の年代の女性への接種で、子宮頸がんを激減させることが報告されており、他の人への感染が予防できる集団免疫効果も示唆されているそうですが、しかし、日本では接種率が低いままで、一部のメディアや医師らによる反ワクチン運動が存在しているそうです。

 

HPVが関与する悪性腫瘍は、子宮頸がんだけではなく、腟がん、陰茎がん、肛門がん、咽頭がんにも関与していることが明らかになっているそうです。男性にもHPVワクチンが効果的であり、陰茎のHPV感染が75%減少することが報告されているそうです。肛門がんや関連する前がん病変なども予防することができるため、アメリカでは9~26歳の男女に対してガーダシルを承認しているそうで、また、HPV感染は男性不妊とも関連があると報告されているそうです。

 

世界各国で研究が進められ、親の態度やワクチンの無償化が若年世代のワクチン接種に影響することが報告されているとのことですが、日本におけるHPVワクチンの問題は、男性への接種が法定接種の対象外であり、自己負担が必要であることも問題だそうです。多くの医療機関で、3回接種の費用は約5万円と高額であるため、多くの家庭が躊躇するようです。政府は法定接種に加えるべきですが、時間がかかるため、当面は保護者や大学生に接種を勧めているそうです。大学入学時にHPVワクチンの接種をお勧めする理由は、日本人の初体験の平均年齢が男女とも約20歳であり、大学生になると性交渉のリスクが増えるため、HPV感染のリスクが高くなることにあるそうです。